塩饅頭考案者の子孫のお店の『塩味饅頭』です。

赤穂特産の塩を生かして何か名物は作れないか⁉︎
大阪で修業をした播磨屋初代が考案。
果てには、赤穂のお殿様が将軍家へのお土産にし。
考案したご褒美として、播磨屋は名字帯刀まで殿様から許されたと栞にかかれている由緒正しい塩饅頭。

殿様に賜った播磨屋利休という名前を、今の六代目も名乗られている様子。
『利休』って。
殿様は、茶道では神様のような人の名前を下賜されたほど、きっとものすごく喜ばれたのでしょうね。
そんな昔話が目に浮かぶようです。

直径5センチほどの、ドーム型をしたお菓子です。
ふわりとした落雁の奥に、濃い小豆味の漉し餡。
あまり漉し餡も落雁も好きではない私が、たまに食べたくなります。

中の漉し餡、粒あんよりも小豆味が濃厚な気がするくらい濃いからでしょうか。
半生菓子ですね。
濃い渋めのお茶に良く合います。
この塩饅頭が、お茶席にも用いられるのは道理だと思います。

江戸時代、殿様が参勤交代のお土産にされて大丈夫な訳ですから日持ちがします。
、、、赤穂から江戸まで。
最低でも10日くらいはかかったはずですが、自らお持ちになったのかしら?
それとも、早飛脚という江戸時代の宅急便みたいな速足自慢に運ばせたのでしょうか。

栞の最後には、日が経って硬くなったら、湯のみ一杯のお湯に二つほどいれてお汁粉にしてくださいと記載されています。

赤穂の殿様や、将軍様もお汁粉をお試しになったかしら??
硬くなった塩饅頭を、生真面目に賞味するその様子を思うと、少し微笑ましい光景に思えますね(笑)

播磨屋の塩饅頭は、他府県にはほぼ出回らないと、観光案内所のお姉さんに教えてもらいました。
お店も、赤穂に本店と支店、計二つしかない様子。
どちらかでお見かけになった際には、是非ともお買い求めになって見てください。
塩饅頭嫌いの方は、特に。
本当は、こんなお菓子だったかと思われると思います。